病院の面会規則についての提案
2024年7月29日
先の手記で書いたとおり、父のことを体験して、病院の面会規則について疑問を持つようになりました。ただ、私の家族が置かれていた状況や私の感じたことが、すべての入院患者とその家族に共通するわけではないことは認識しています。
健康な人が怪我で入院していてLineやFaceTimeでみんなとつながっているから大丈夫! という状況と、そういう術や能力や資質がない人とでは個人差があることも、容易に想像できます。高齢者で体が弱い人でも、社交的な性格で、運良く同室におしゃべりできる相手がいるのなら、寂しさや退屈を少しは紛らわせることができるかもしれません。要は、患者と家族の個別の状況・能力・性格・希望を汲んで、もっと柔軟に対応できるやり方に変更すべきではないかと感じるのです。例えば、次のような方法を検討できるかもしれません。
- 病院全体で延べ時間(人数×時間)に換算して1日あたりの面会キャパシティを決めておき、そのキャパシティに至らないかぎりは、同じ患者の家族がばらばらに1日数回来たり、家族だけでなく友人でも4、5人までなら一緒に訪ねたりすることを認める(同室にいる患者さんの数なども考慮したうえで、面会場所は調整する)。
- 通常の面会時間以外に使える余分の面会時間(面会チケット)を患者ごとに割り当てておいて、遠方に住んでいる家族が訪ねてきている間や他の特別な状況では、その余分の割り当て分を使えるようにする。
- 今日は私の家族や友達は来ないから自分の面会時間を譲ってもいいと言ってくれる患者がいたら、その分の面会時間を他の患者に回せるようにする。スタッフが朝の巡回時に患者さんに打診して、余っている面会時間を募集し、集まった余剰時間を「当日券」としてリリースする。このように制度化して運営するのは負担になるということであれば、特例を認めたい状況がある場合のみ、スタッフがめぼしい患者さんに打診して融通を利かせられないかどうかを見る。
- スタッフが患者と家族の状況を聞いて自分で判断し、これは制限を超えても面会を許可したい正当な理由があると考えた場合は、上司に相談して、上司が特例を認める裁量を持つようにする。
- 上記のすべてを運用する。
素人の私がたった一人で考えただけのことですから、荒っぽくて練れていない部分も多々あることと思います。でも、病院のスタッフが集まってブレーンストーミングすれば、専門的な知見を活かしてはるかに効果的で効率的な方法を考えられるのではないでしょうか。感染症対策、病院への負担、患者と家族の希望という3つのせめぎ合う条件の間で、もっと良いバランスを取る方法を考えていこうではありませんか。スタッフにとっても患者と家族にとっても、より良い面会の体験が創れるはずだと確信しています。面会だけでなく、病院全体の体験を明るくやさしくしていく糸口にもなるかもしれません。
鈴木智草(すずき・ちぐさ)
info@chigusasuzuki.com
このページの最終更新日:2024年8月27日
この手記に対して、多くのフィードバックをいただきました。病院によって面会規則がかなり異なることが分かってきました。いただいたご意見・ご感想を紹介しながら、いくつかの重要なトピックに触れてみます。詳しく読む
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■患者と家族の権利を守る法令について、お詳しい方がいたら、現状について教えていただけないでしょうか。そういう法制度や業界の自主基準はすでに存在するといった情報、その種の制度化を目指すのであればこのような方面に働きかけるべきだといったアドバイス、何でもかまいません。どうぞよろしくお願いいたします。